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Unpacking the ‘G’ in ESG: What is the Secret to Good Governance?

ESG
ESGの成果の達成
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この記事は5分で読めます
著者 :
Erik Saito
シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、EMEAおよびアジア太平洋地域
公開日: 2022年8月26日
Last Updated: 25 April 2023

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ESGの「G」に対応するには、組織はどうすればよいのでしょうか? 

一見すると、ガバナンスはESGの3つの柱の外れ値のように見えます。「E」と「S」は企業とより広い世界との関係に焦点を当てていますが、「G」の目的は、企業がどのように運営されているかを評価して、内部に目を向けることだからです。 

これは多くの点で、ESGの3つの要素の中でも最も古いものとみなされており、ルールの設定、階層の確立、汚職や詐欺に対する保護など、企業が存在し始めて以来、続いてきたものです。しかし、今日的な、そして非常に重要な環境や社会への影響問題に比べると、ガバナンスに関する議論が後回しになってしまうことはよくあります。 

しかし、ESGレポーティングの価値を高めたいと考えている組織は、ガバナンスを最優先に考えるべきです。これは企業価値と強力に直接的に結びつくだけでなく、環境や社会的要因を含むその他のすべての領域に影響を与える、組織の基盤そのものにも関係してきます。 

当社の最近の調査では、94%の企業において、企業報告の中でガバナンスと管理について議論される機会が増えていることがわかりました。現在、先頭を走っている企業は、ESGレポーティングにガバナンスを組み込む際にどのようなことに重点を置いているのでしょう?  

 

数式を正しく理解する 

私たちのほとんどは、「ごみを入れればごみしか出てこない」という概念を認識しています。これは、アルゴリズムがどれほどうまく設計されていても、誤ったデータを入力すれば無意味な結果しか得られない、というコンピュータサイエンスの考え方です。 

この原則は、レポートにも適用できます。企業は非常に高いESG目標を設定し、考えられるすべての指標を分析します。データが信頼できない場合、レポートは無意味なものになり、企業と投資家の間の信頼関係は失われます。 

ガバナンスレポーティングを成功させるには、財務報告書および非財務報告書のデータが信頼できると見なされる理由を提示する必要があります。

ガバナンスとは、要するに、この信頼を守るために存在する仕組みなのです。したがって、ガバナンスレポーティングを成功させるには、財務報告書および非財務報告書のデータが信頼できると見なされる理由を提示する必要があります。多くの場合、データは人が生成するもので、場合によっては (業界や生産ラインによっては) 手作業で生成されてから、あるチームから次のチームに渡されます。それでは、このデータが最初から正確なもので、変化や修正なしに経営幹部に届けられることを、どうすれば保証できるでしょうか?     

データの検証可能性と全体的な構造の透明性を示すことに重点を置いている企業は、レポート全体の影響力を強化しています。  

 

マテリアリティの理解 

ガバナンスレポーティングで取り組まなくてはならないもう一つの重要な問題が、 マテリアリティの評価方法です。ビジネスにとって最も重要な課題が何かを誰が決めていますか?これらの決定はどのように行われ、どのくらいの頻度で見直されていますか?  

優れたガバナンスを実現するには、何を測定すべきか、どこで最大の影響を与えられるかを把握する必要があります。

重要と見なされるものは、組織の業界、場所、規模によって大きく異なります。また、より広範な社会経済的または地政学的要因の影響を受けるため、急速に変化する可能性があります。     

優れたガバナンスを実現するには、何を測定すべきか、どこで最大の影響を与えられるかを把握する必要があります。これにより、どの領域が会社にとって最大のリスクと機会をもたらすかを評価し、そうしたリスクから保護したり、そうした機会を利用したりするための強固な構造を確立することができます。 

企業は、全体像を考慮し、必要に応じて方向転換できるようにすることで、これらの重要な戦略的決定が確実に一貫して総合的に行われるよう構造を整備する必要があります。強力なESGレポートでは、その構造がどのようなものかを明確に説明する必要があります。これにより、投資家は、どのような決定が行われたかのみならず、どのように、なぜ行われたのかを知ることができます。 

 

雇用主の優位性の活用 

ガバナンスは、主に投資家の関心事であると考えられることがよくありますが、スタッフにとっても同様に重要です。 

優れたガバナンスは、最高の人材を維持するための鍵であり、その結果として企業の長期的な価値に影響を与えます。内部階層や業務プロセスから従業員を保護するための構造に至るまで、組織がどう運営されているかは、間違いなく、個人が自分の役割に満足しているかどうかの最大の決定要因になります。新しい仕事を選ぶ際に、自分の価値観と一致した、社会的または環境的に良い影響を与えてくれる会社で働くことが不可欠だと言う従業員も増えています。 

ガバナンスを実施し、透明性を持って伝達する方法を知っている雇用主は、人材を惹きつけて維持する上で大きな競争上の優位性を持っています。 

企業は、従業員と地球の両方をどれだけ大切にしているかについて大胆な主張を簡単に行うことができますが、強固なガバナンスが確立され、支持されていなければ、これらの約束がすぐに崩れ始める可能性があります。従業員がますます知識を深め、倫理的な見識を持つようになるにつれ、企業チェーンの両端で圧力が高まっています。ガバナンスを実践し、透明性を持って伝達する方法を知っている雇用主は、人材を惹きつけて維持する上で大きな競争上の優位性を持っています。 

 

トーンはトップから 

重要なビジネス上の意思決定を行う場合、経営幹部と投資家の間で継続的に対話を行うことが不可欠です。利害関係者の期待を継続して確認することは、ガバナンス戦略を成功させるための重要な方法であると同時に、さらなるガバナンスの決定を下すためのツールでもあります。 

おそらく、ガバナンスの成功に関する最大の差別化要因となるのは、上級管理職があらゆるレベルで積極的に関与する度合いでしょう。 

優れた人物であれば、取締役会から会社の最前線である現場へと議論を持ち出し、日々の業務を仔細に確認して、差し迫った課題、実際の限界、および全体像への影響を理解していることでしょう。ビジネスリーダーは、見えない部分を探り、組織の基本に向き合うことで、ESGレポーティングで価値を真に提供できるようになるのです。  

大企業は世界に大きな影響を与えています。この事実を認識し、その影響力を可能な限りポジティブなものにしようとする企業こそが現在、先頭に立ち、成長を続ける投資家を惹きつけています。しかし、これは対象物となる「何」の部分を説明するだけでは実現しません。それを「なぜ」、「どのように」、「誰が」実現するかを説明する必要もあります。透明性を確立することで、信頼を確保できるのです。 


 
著者について
Erik Saito

シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、EMEAおよびアジア太平洋地域

 

Erik Saitoは、Workivaのヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)およびアジア太平洋 (APAC) 地域のシニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーです。これら地域を監督、指導して、より良い世界に向けて透明性のある報告を強化するというWorkivaの使命達成の支援を担当しています。また、これらの拡大する市場の管理と成長にも責任を担っています。

Erikは、20年以上にわたり、パフォーマンスの高い事業の運営と成長に携わってきました。それ以前も、Ingredion Inc. (NYSE: INGR) でアジア太平洋地域の最高財務責任者、同社のオーストラリアとニュージーランドの事業の経営責任者など、さまざまなリーダー的役割を担ってきました。 Ingredionに入社する前は、JP Morgan Securities Inc. (NYSE: JPM) でInvestment Banking M&A担当副社長を務め、Accenture (NYSE: ACN)でシニアコンサルタントを務めていました。

Ericはシカゴ大学で経済学の学士号を取得しています。財務報告や財務デジタル変革、関連するトピックについて、業界団体で頻繁に講演を行っています。

 

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